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ある設計事務所代表のだらだらブログ
            日常で感じたことや出来事など、 大まじめな話からくだらない事まで 言葉と画像で綴ります。 お付き合いくださいませ。
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忘れられないお客さんの言葉
もう12年以上も前の出来事です。

私は、とある住宅会社でメンテナンスを担当しておりました。
片開き戸の枠が剥がれてきたので見てほしいとの連絡があり
確認しにいきました。

内容は額縁の戸当たり(凸の出っ張り部分)が外れてきたのです。
戸当たり部分はプラスチック製でネジとボンドで固定するのですが
材料の肉厚が薄く、ちょっと力を加えるとちぎれそうでした。

ご主人はそれを手にとって

「こんなペラペラしたプラスチックで大丈夫?」

「なんか情けいな」

と言われました。
私には、多額のローンが残っているのにこんなもんかという
残念さと後悔とあきらめのように感じました。

なんとか補修はできましたが、今でも時々このご主人の言葉を
思い出します。

企業としては、コストダウンを図り収益を上げた部分があるのでしょうが
結局は、ご主人の後ろにいる沢山の次の顧客を失ったかもしれない
代償は大きいかもしれません。

設計者は決められたパーツを施主の要望に沿って組み立てるだけで
この現実は知りませんし、直接的な責任もありません。
監理者である工事担当は、パーツの選定さえも無縁です。

パーツの仕様を決めている本社の部署の人間に言っても
メンテナンスの対応の問題にされることもあります。

要は自分たちのパーツの選定の問題ではなく、
あなた達メンテナンスの説明の努力が足りなんじゃないの、
ということです。
(名誉の為に言えば、構造部分や基礎部分のコストダウンには消極的でした)

メンテナンスの時はさんざん、自分のせいではない原因で
お客さんに一杯叱られました。(もちろん自責もありますが)

今では、この経験は設計だけをやっている人には
殆ど得ることのできない宝だと思っています。

私は、あの時のご主人の言葉を忘れないようにしたいです。

□□ TUKURU建築設計舎(滋賀 大津市 京都市 草津市 住宅設計) □□
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