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ある設計事務所代表のだらだらブログ
            日常で感じたことや出来事など、 大まじめな話からくだらない事まで 言葉と画像で綴ります。 お付き合いくださいませ。
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つくるけんちく

Author:つくるけんちく
TUKURU建築設計舎
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住宅の担い手といての設計事務所
設計事務所が住宅を設計するってどういう事でしょうか?

一般の家屋の建設は元々は工務店だけが担っていました。
住宅会社や設計事務所は住宅の分野については後発です。

工務店の棟梁は依頼があると話を聞いてその依頼者の格にあった
住宅を建ていました。そこには最初から設計なんていう概念は存在
しませんでした。

無意識で設計施工一貫体制ととっていたので埋没していたのでしょう。

戦後、工務店は高度成長で効率化が求められる風潮の中で職人としての
大工が、建築作業者へと変わっていきました。

難しい継手や仕口は無くなり、建物強度は計算がしやすく施工も簡単な
金物や筋違が使われるようになりました。

しかし、金物や筋違の意味を十分に理解できない特定の工務店や大工は
安易に仕事が簡単なったと勘違いして恐らく大量の危険な住宅を建てていったと
思われます。

人口も増加して仕事もあり、手抜きという効率化で業績を伸ばした悪質な工務店は
恐らくクレームも多く、徐々に姿を消していったでしょう。

そういう状況で、組織を利益追求の会社として捉え、住宅を品質管理できる商品といて
自らはその販売に特価した存在が登場してきました。
住宅会社という存在です。
とりわけ、資本力でCMと住宅展示場を全国に展開した会社はハウスメーカと呼ばれました。

ハウスメーカはしかしながらその巨体の維持のためにどうしても経費が高く
価格競争という意味では不利であり、商品という捉え方に疑問ともつ購入者の存在もあり
工務店を席巻するというところまでにはなりませんでした。

現在は、工務店も戦前の工務店ではありません。
多かれ少なかれ、住宅会社化していたり、設計事務所のような装いの
工務店もあり、住宅の担い手は多種多様化しています。

残念ながら設計事務所の存在は少しは認められるようにはなってきている
ものの、大きなインパクトをもつ存在ではありません。

存在感やインパクトだけが物差しではありませんが、
住宅の担い手としての設計事務所が
多くの支持を得ている、認知されているとは言えない現実は
直視すべきであり、改善の余地が一杯あるのかもしれません。

□□ TUKURU建築設計舎(滋賀県 大津市 草津市 京都 新築 リノベーション リフォーム)□□
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忘れられないお客さんの言葉
もう12年以上も前の出来事です。

私は、とある住宅会社でメンテナンスを担当しておりました。
片開き戸の枠が剥がれてきたので見てほしいとの連絡があり
確認しにいきました。

内容は額縁の戸当たり(凸の出っ張り部分)が外れてきたのです。
戸当たり部分はプラスチック製でネジとボンドで固定するのですが
材料の肉厚が薄く、ちょっと力を加えるとちぎれそうでした。

ご主人はそれを手にとって

「こんなペラペラしたプラスチックで大丈夫?」

「なんか情けいな」

と言われました。
私には、多額のローンが残っているのにこんなもんかという
残念さと後悔とあきらめのように感じました。

なんとか補修はできましたが、今でも時々このご主人の言葉を
思い出します。

企業としては、コストダウンを図り収益を上げた部分があるのでしょうが
結局は、ご主人の後ろにいる沢山の次の顧客を失ったかもしれない
代償は大きいかもしれません。

設計者は決められたパーツを施主の要望に沿って組み立てるだけで
この現実は知りませんし、直接的な責任もありません。
監理者である工事担当は、パーツの選定さえも無縁です。

パーツの仕様を決めている本社の部署の人間に言っても
メンテナンスの対応の問題にされることもあります。

要は自分たちのパーツの選定の問題ではなく、
あなた達メンテナンスの説明の努力が足りなんじゃないの、
ということです。
(名誉の為に言えば、構造部分や基礎部分のコストダウンには消極的でした)

メンテナンスの時はさんざん、自分のせいではない原因で
お客さんに一杯叱られました。(もちろん自責もありますが)

今では、この経験は設計だけをやっている人には
殆ど得ることのできない宝だと思っています。

私は、あの時のご主人の言葉を忘れないようにしたいです。

□□ TUKURU建築設計舎(滋賀 大津市 京都市 草津市 住宅設計) □□

建築家 澁江 和宏さんの家づくりプロフィール
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